2012年10月25日木曜日

読書レビュー4 汚れた腸が病気をつくる


宿便という言葉よく聞きますが、どんなものだと思いますか。大腸の隙間に便の塊がくっついているイメージでしょうか。またそもそも迷信みたいなものだと思う人もいるでしょう。
医者の中にはそんなもんは無い、なぜなら内視鏡でのぞいても何にもないからだとおっしゃる人もいるんですが、そりゃ検査の前に下剤でがんがん出しまくるからあたりまえだろうと私は思います。
ただ医師の方が全て宿便を否定しているかというとそうでもなく、よくテレビに出ているおおたわ史絵さんは、大腸の内側に張り付いている薄い黄色の膜だとおっしゃってますね。

そんないろいろ議論が分かれる宿便ですが、今回取り上げた本でその写真を存分に見ることができます。これは衝撃です。ヘドロがゴムみたいになったもの、やたらと長いひも状のもの、大腸の形そのもののまま出てきたものなど。いやこれは必見です。本屋さんで見かけたらとりあえずこの写真だけでも見たほうがいいです。

この本では明確に宿便を定義してはいませんが、腸の内壁にこびりついたニカワ状の物質が宿便らしいですね。
そしてそれがなぜできるのか、いかに身体に悪影響を及ぼすのかを解説してあるのが前半部分です。後半部分は腸内浄化法をいろいろ取り上げているんですが、こちらはちょっとそのまま実行するのはやめたほうがいいかも。理由は後述します。

前半では腸や排泄に関してしっかり解説してあるので、腸に関心のある人やIBSなどで悩んでいる人には知識をつけるという点でおすすめです。特に見ておきたいのがp81~p83にあるイラストで、胃に入った内容物がどのように時間をかけて腸を移動していくか、分かりやすく図示してあります。
胃から直腸まで結構時間がかかり、その間の食事で腸にどんどんたまっていくのが分かります。
これを見ると甲田式で有名な朝食抜きは理にかなっているのかなあと思えてきますね。

また白砂糖、コーヒー、チョコレートの有害さにも言及してあり、奇しくも自分の見解と一致しているとうれしくなりました。何せ特に女性のIBSの患者さんはコーヒーチョコレートお菓子が大好きな方が多いので、これはぜひ控えるべきですね。何で?と思ったら「白砂糖 消化」とかで検索してみてください。丸々信じる必要はないですが、有益な情報が得られると思います。

で、後半部分の浄化法なのですが、これはどうも日本人には向いてないような。そもそも原著はアメリカ人用に書かれています。あちらは肉ばっかりで食物繊維をほとんど摂ってないでしょうから、便秘の人が多いみたいで基本便秘対策になってます。食事に関しても和食にしたら問題無さそうですし、どうしてもやってみたいということなら、甲田式がいいかもしれません。何それという人には

食べ方問答―少食のすすめ 我が心の師に健康道の奥義を訊く!

甲田 光雄,サンプラザ中野 マキノ出版 2008-04-15
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ここらへんが入門としていいと思います。サンプラザ中野さんもこれでえらい痩せられましたね。

一応この本(汚れた腸が病気を作る)の最後に日本で手に入るおすすめ乳酸菌や健康食品が紹介してありますので、こちらを参考にしてもいいでしょう。

結論として、前半だけでも十分読む価値はあります。腸の下垂による影響やオプトロジーまで言及してありますので、広く知識が得られる本です。