2012年2月24日金曜日

蔵書の電子書籍化2 本の裁断

電子書籍化するにあたって、次の手順があります。

1.本を裁断用に加工する
2.裁断機を使って裁断
3.スキャナでパソコンに取り込む
4.1ファイルにまとめて名前をつけて整理保存


1.と2.の作業が何で必要かというと、本は背側で糊付けされています。スキャンするには1枚1枚ばらす必要があります。手で一枚ずつはがすのはまず無理です。したがって糊がついているであろう背側を切り落とすわけですね。そしてその作業には裁断機がないと効率が悪すぎなんです。

ではまず1.の部分を始めます。
ターゲットはこの本です。


ちなみにこの本の作者の前作、「食品の裏側」は衝撃でした。本に書いてありましたが、コーヒーショップに置いてある無料のミルクみたいなやつ、あれサラダ油らしいですよ。確かに常温でほったらかしておいても大丈夫なんですからミルクじゃあないですよねえ。

余談でした。まず、帯やカバーを取り外します。私の場合は読めたらいいとの方針なので帯は捨てます。カバーも要らないのですが、見栄え良くするためカバーの表紙だけ切り取って残します。これはiPadのビューアーで一覧を見るとき一番最初のページが出ますので、表紙を残しておきますと、なかなか綺麗で満足感が高まるためです。


こんな風に切り取りました。次に本の本体(ややこしい表現)に何もはさまっていないようにチェックします。しおり(紐、紙)、はがき、広告などがあったら取り除きます。さすがにはがきがはさまったままだとスキャン時にチェックにひっかかりますが、しおりなどはそのままいっしょくたにスキャンされる場合があります。当然しおりの下にある本の部分はスキャンされてないので読めません。気づかずにスキャン後の本を捨ててしまうとえらいことになります。しっかりチェックしてください。白色のしおりの紐なぞは高確率で見逃します。レアパターンとして、本屋さんの小さく薄いレシートがはさまっていた事がありました。スキャナーのチェックにもひっかかりませんでした。偶然発見したからよかったのですが、その時は流石に松田優作なみに何じゃこりゃあと叫んだものです。

ブァラーとチェックしています。何冊も作業して疲れてくるとおざなりになり、見逃します。絶対見逃します。テンションを高めてやりましょう。

繰り返しになりますが、私は読めたらいい派なのでカバー下の表紙は要りません。下の写真のようにビリビリとはがしてしまいます。本を踏んで怒られて育った人は、この辺りが罪悪感マックスになります。写真の本は違いますが、表紙が分厚いボール紙の本ならスキャナにかけようにもかけられないので、何としても剥がさねばなりません。本を壊している感にあふれますので、罪悪感が本当高まります。でもまあすぐ慣れます。


次の作業です。裁断機はある程度の厚さしか受け付けないので、適当な厚さに本を切り分けます。
用意するのはこの普通のカッターです。刃を長めに出します。


糊付けされている側にカッターを入れていきます。この際写真のようになるべく鋭角に、本と並行に近くなるようにして、切っていきます。厚さはとりあえず2~30ページ分くらい、慣れたらもっと増やしても大丈夫でしょう。ここで注意ですが、古い本だとステープラー(ホッチキス)でとめられている場合があります。そういう本にあたった時は大きくため息をついて、ラジペンやマイナスドライバーでステープラーをこじ開け引きぬいてください。




このように分冊できました。この作業の時は怪我しやすいので注意しましょう。




さていよいよ裁断機にかけます。


こんな風にセットして上の方の黒の箱をつかんで引き降ろせば切り落とせます。
切るときはあまり下方向に力を入れないで、2~3回前後に動かすと支障がありません。支障って何といいますと、刃の下はプラスチックの細い板になってまして、あんまり力を入れるとそこまで削れていってしまいます。そうすると刃の通る部分が凹むことになり、紙が切れにくくなってくるんですね。分かりにくいでしょうか。でも実際やってみるとよく分かります。何事も経験ですな。



このようにしてざくざく切り落としていきます。本の方はページ順に重ねておきます。切り落とした方は捨てるしかないでしょうなあ。


というわけで、こんな風に裁断が終わりました。実際はそれぞれの工程を何10冊かまとめてやっていったほうが効率がいいです。
次はスキャナにかけてスキャンしていきます。