2015年11月1日日曜日

読書レビュー5 今日のうんこ

凡そ人間の体から出るもので最も嫌われているであろう存在、それがうんこ。今回ご紹介する本はこのうんこに的を絞って、いろんな情報をコラム形式にして詰め込んでいます。著者は女性医師でかつタレントさんで、最近では金子哲雄さんが亡くなられた時によくテレビで見かけましたね。

で、うんこ。誰しも知っていますが、それについての基本的な知識、例えば主成分は何とか、形や色の違いはなぜ起きるのかとか、便秘や下痢になる仕組みとかを説明できる人は少ないのではないでしょうか。生まれてから死ぬまで食べる限りはずっと付き合いが続くのですから、知っておいて当然なのです!と言いたいところですが、普通は目にするのも嫌ですよね。でも知っておいて損はないどころか得をすることが多いので、ひとつこの本でうんことそれにまつわる腸や排泄などひと通り学んでおくといいと思います。

全体に平易に解説してありますので、興味のあるところから読んでも全然大丈夫です。そんな内容の中で個人的にいい情報だと思ったのは、

・便の色、形状を観察することが大事
日々排便したらすかさず下を覗きこんで形や色を観察しておくことを習慣にしておきます。すると体調の変化に応じて便がどのように変わるかが分かってきますので、逆に便がこんな状態だったら体調が悪いから気をつけようなど対策がとれます。

・日本人の便の量はアメリカ人の2倍
これでも差は縮まったほうで、戦前は4倍だったそうです。

・排便回数は重要でなく、快便であることが大事
1日1回に特にこだわらず、すっきりが大事。

・肛門括約筋の仕組み
詳しい説明は専門書しかなかったのですが、この本では分かりやすく解説されています。IBSに悩まれている方は一度目を通しておいたほうがいいでしょう。

・消臭効果があると言われている香りのエキスやサプリメントは効かない、腸で分解されてしまう
断言されてしまいましたね。消臭効果を発揮するにはその成分が便の中にとどまっていなければなりませんが、そこにいくまでに分解されてしまうそうです。一応著者も実験されています。

・どうしても匂いを減らしたければ完全ベジタリアン
臭い匂いというのはタンパク質が元になっていることが多いので、植物だけ食べれば牛や馬の糞と同じでそこまできつい匂いはしなくなります。

・おならが出やすい原因とは
いろいろ原因が挙げられていますが、私の意見としては原因の中の食品には異議があります。食物繊維が多いと出やすいと言っても水溶性食物繊維(海草など)はそんなにガス発生しないですし、発酵食品も原因になってますが、食べ物に含まれる乳酸菌などの菌が合えばかえってガスを抑えられます。でも合わないと確かにガスは増えるようです。

・外肛門括約筋のトレーニング
これ、私が思うに効果があるのは便や尿漏れに対してで、ガス漏れには効果がないと思います。ガス漏れの患者さんには一生懸命これをやった挙句、余計ひどくなった人が多いです。

まだまだ他に、おならのごまかし方・便秘がひどくなる食物繊維・IBSでは果糖制限で対策など一杯ありますが、興味をもたれたらぜひご一読を。
読書レビュー4 汚れた腸が病気を作るで触れた宿便についての解説もあります。